「PDF-XChange Viewer」から
「PDF-XChange Editor」へ乗り換えよう
「PDF-XChange Editor」は「PDF-XChange Viewer」の後継
Tracker Software Products Ltd.の「PDF-XChange」といえば、長い間無償版を提供してきた「PDF-XChange Viewer」を大変多くの方にご利用いただいています。「PDF-XChange Viewer」は2007年6月に日本語に正式対応し、機能の豊富さも相まってPDFビューア市場で根強い人気が続いています。
でも実は、「PDF-XChange Viewer」の開発は2016年3月(V2.5.317)で開発終了をアナウンスしているのをご存じでしょうか。
※不具合への対応を主にV2.5.323(2018年12月)までアップデートが続いてはいますが、新機能の追加といった開発自体は終了しています。
本稿では、開発が終了した「PDF-XChange Viewer」に代わる後継製品、「PDF-XChange Editor」の特長や、無料トライアル(無償版)と正規版との差異について簡単ですがご紹介します。
PDFビューア(PDFリーダー)の簡単な歴史
Windows 10の時代になり、今ではOS自体がPDFの作成や表示に対応できるようになりました。Webブラウザはそれ単体でPDFを表示することができますし、スマートフォンでも何事もなく自前でPDFを表示することができるようになりました。
今ではPDFを画像と同じような操作感で表示してくれるので、「PDFってなに?」と悩むこともなく、表示用のソフトウェアを新たに探してくる手間もなくなりました。でも、つい数年前までは、PDFを表示するには専用のビューア(リーダー)が必要でした。
2000年代の初頭、常に先頭を走るA社のビューアを筆頭に、F社のビューアや、当社が販売するTracker Software Products Ltd.製の「PDF-XChange Viewer」などがPDFのビューア市場で熾烈な競争を繰り広げます。多くのビューア製品が無償で利用することができましたが、PDFの表示という機能だけでは差別化がしづらく、各社はA社の製品にはない機能を追加することで特長を出します。
F社は、「タイプライター」などよく使われる「注釈」(の一部の機能に限定)を追加・編集できる機能を自社の無償のビューアに実装し公開します。「注釈」はPDFの本体のデータではないのですが、PDFに事実上文字を追記したりそれを編集して再保存する機能が付いたことで、無償のPDFビューア市場に激震が走ります。この機能によりA社との差別化を実現したF社のビューアは当時は大きな話題になりました。
これに対して、我がTracker Software Products Ltd.製の「PDF-XChange Viewer」は最初からテキスト注釈、図形注釈、スタンプといった「注釈」をPDFに追記することができました。
さらに、下記のような機能が無償で利用できました。
●ページの回転
●リンクの追加・編集
●しおり(ブックマーク)の作成・編集
●英語、フランス語などのOCR
F社より高機能な「PDF-XChange Viewer」は瞬く間にPDFビューア市場の雄となっていきます。この影響は大きく、この後、本家である A社の無償のビューアに「テキスト注釈」などの追加・編集機能が追加されます。
ほぼ何でもできる「PDF-XChange Editor」
デジタル社会が成熟し、PDFに対する市場のニーズが大きく変化する中、Tracker Software Products Ltd.は2016年に「PDF-XChange Viewer」の後継製品「PDF-XChange Editor」をリリースします。「Editor」という名前の通り、PDFを表示するだけでなく、本格的に自在に編集することができる機能が売りです。使ってみるとわかりますが、PDFの本文の文字の書き換えはもちろん、画像や図形を簡単に修正することができます。
「PDF-XChange Viewer」で利用できた機能はすべて「PDF-XChange Editor」で利用できます。リボンインターフェイスになり、ボタンのサイズも大きく、タブレットなどでの操作性もグンとよくなりました。
PDFにはISO32000という国際標準がありますが、2007年にPDF 2.0という仕様にバージョンアップしました。こうした今後の新しい仕様への対応は「PDF-XChange Editor」のみとなります。もしまだ「PDF-XChange Viewer」を利用している、あるいは利用を検討している方は、「PDF-XChange Editor」に移行することを強くお勧めします。
「PDF-XChange Editor 無料トライアル」の機能制限について
正規版(有償)の「PDF-XChange Editor」はA社の製品と引けを取らないほど機能豊富ですが、「PDF-XChange Editor」のインターフェイスは分かりやすい操作性が特長で、PDFの文字や図形の編集といった作業でも、多くの方がマニュアルを見ずにスムーズに作業できるでしょう。
「PDF-XChange Editor」には無料トライアルがあります。前述のような高度な編集機能は正規版(有償)のみの機能なのですが、試しにその機能がどうなるかを使ってみることができます。その代わり、PDFを保存する際にDEMOスタンプがPDFに追加されて保存されます。それでも、実際にどのように動作するかを確認することができるので、その機能が欲しい方には試してみる価値があると言えるのではないでしょうか。全機能のほぼ70%は上記のような制限はありません。下記は利用制限のある機能の代表例です。
●文字編集、図形編集、画像の削除・追加 ●ページの削除・移動・追加 ●墨消し ●ページのリサイズ、ページのトリミング
●Officeファイルへの変換(無償版はファイルにパスワードが設定される) ●フォーム ●デジタル署名
また、アプリケーションから印刷をすることでPDFを作成することができる仮想プリンタ「PDF XChange Printer Lite」もPDF上にDEMOスタンプが追加されて保存されます。それ以外の機能制限はほぼ無いので、有償版を購入する前の動作確認として利用できます。